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あいつと俺
今日は俺が好きだったあいつが死んでしまってから一年が経つ一周忌の日。
今でも看取れなかった事は悲しいし好きだった気持ちなんてそう消えることはなくて、一生涯愛したのも初めてデートしたのも何もかもあいつが初めてだった。
友情が愛情に変わっただけと思っていたのは間違いだったみたいだ。どうして看取れなかったというと俺の恋人だった優の両親にそれを断れてしまったから。
その時にいくら好きでもあいしていたとしても男同士なんて認めてくれなくて。ただ一瞬だけでも顔が見たかっただけなのに。優のお母さんに言われたことは、「すいませんね。優の事を大事だと思ってくれているのは嬉しいのですが男同士なんて…」
といわれお見舞いは一度きりだった。
その一度きりの瞬間は今でも覚えている。
「ねぇ、真也。僕のお願い聞いてくれる?」
「もちろん。」
「僕が死んでしまったら部屋の引き出しを開けてくれる?きっと両親はもう来るなっていうと思うんだ。だからこれが最後の会話になってしまう。だからお願い。」
「わかってる。だけど最後だなんて言わないで。」
「僕だって、最後なんて嫌なんだ。まだ沢山の思い出を作りたい。ここにいる間だって一方も離れたくない。まだまだ真也といたい。
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