プロローグ

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 美しいコートダジュールの海の匂いが、窓から風と共に流れ込んできた。  僕の弾くピアノの音に合わせ、君は小さな体を揺らしながら、歌声を響かせる。  あの人は僕に言った。人との出逢いには必ず意味があるはずなんだと。  僕にとってこの幸せな時間が本当に意味のあるものだとしたら、いつかまた思い出すんだろう。  でもそれまでは、僕はもう思い出さずにいようと思う。  もうここから去らなくてはならないのだから。  君がいつも幸せであるように祈りながら。
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