ぼくがあの子と暮らすまでの3ヶ月

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その日、仕事で上司にはじめて誉められたぼくは、いつもより疲れを感じなかった。足取りが軽い。 気分が高揚していたせいか、夕暮れの街もいつもよりキラキラして見えた。 せっかくだ、たまには寄り道でもしてみようと思い立ったのである。 どんな店でも今なら楽しいに違いないと、手近にあった可愛らしい外観の店へ足を向けた。 「いらっしゃいませー!」 元気な女性スタッフの声が出迎えてくれる。 店内は数組の客が店内を見て回っていた。 店の外観からは想像できないほど辺りは賑やかで、ぼくも陽気な気持ちになる。 何を見るというわけでもなく、ふらふらと店内を見て歩く。 いつもの帰り道とは全く違う、楽しい気分で、足元がふわふわしているように感じた。
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