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ははっ……『嫌じゃない』ってさ。
安心したからか、驚いた泉さんを見たせいか。自然と頬が緩んだ。
「ぷはッ。……俺、嫌いじゃないよ、泉さんの事」
「へ?」
泉さんは眼を一杯に見開き驚いている。
「アハハッ。嫌いじゃないから普通にしててよ。なに考えてるのかわからない無表情な顔よりヘラヘラしてる方がいいんだよ。わかった?」
眼を細めクスクス笑う俺をまじまじと見詰めてから、泉さんはフッと表情を崩した。
「・・・うん♪わかった、そうするね♪
金沢さんもそうやって笑っててよ。いつもの、こ~んな顔よりそっちの方がいいよ♪」
ふにゃ~と微笑んだ彼女に一瞬胸が高鳴った。
部屋から出ていく泉さんは、ドアのところで顔だけ出す。
「あ、そうだ。さっき金沢さん心配してくれたけど、私なんか襲う人いないから大丈夫だよ♪……でもありがと、おやすみ♪」
ニッコリと手を振りドアを閉めた。
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