【其の6】オカンの気持ちは・・・

16/17
前へ
/324ページ
次へ
ここまで考えて頭を振る 無い無いそんな事。あるわけ無いじゃん、あんな変わった子。 可愛いとは思うけどタイプじゃないし。 俺に向けられた笑顔ぐらいであんなに喜んだのはアルコールのせいだ。 ソレもコレも全部煽った杉山が悪い。 ブツブツ文句を云いながら頭を掻き、勢い良くドアを開けた。 「ひゃっ?!」 「ッ?!スマンッ!大丈夫か?」 「大丈夫、大丈夫。ちょっと驚いただけだから」 驚いた様子で掌を頬に当て照れ笑いをする泉さんにドキっとした ・・・ん? 何故ドキっとするんだよ。 「・・・ど~したの?金沢さん、顔赤いよ?大丈夫?」 突然俺の顔を、キョトンとした顔で覗き込む泉さんに慌てて顔を背けた。 「な、何でもない。……泉さんこそどーしたんだ?早いじゃないか、まだ6時だぞ?」 「ん~?……何か目が覚めちゃったの♪」 そんな事を云う泉さんの目の下にクマが出来てるのに気付いた 「なぁ……もしかしたらあの後、寝れなかった?泉さん、今日仕事なのに俺のせいだな。夜中にグチグチと悪かった、ゴメン」 「へ?違います、違いますッ!金沢さんのせいじゃないよ。寝てないのは単純に嬉しかったからだも──」 しまった!と両手で口を押さえた彼女は、眉尻を下げ上目遣いの視線を向け頬を赤らめた。 その姿に胸が早鐘を打つ 泉さんの言葉の意味を知りたくて掌を伸ばした───
/324ページ

最初のコメントを投稿しよう!

630人が本棚に入れています
本棚に追加