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ここまで考えて頭を振る
無い無いそんな事。あるわけ無いじゃん、あんな変わった子。
可愛いとは思うけどタイプじゃないし。
俺に向けられた笑顔ぐらいであんなに喜んだのはアルコールのせいだ。
ソレもコレも全部煽った杉山が悪い。
ブツブツ文句を云いながら頭を掻き、勢い良くドアを開けた。
「ひゃっ?!」
「ッ?!スマンッ!大丈夫か?」
「大丈夫、大丈夫。ちょっと驚いただけだから」
驚いた様子で掌を頬に当て照れ笑いをする泉さんにドキっとした
・・・ん?
何故ドキっとするんだよ。
「・・・ど~したの?金沢さん、顔赤いよ?大丈夫?」
突然俺の顔を、キョトンとした顔で覗き込む泉さんに慌てて顔を背けた。
「な、何でもない。……泉さんこそどーしたんだ?早いじゃないか、まだ6時だぞ?」
「ん~?……何か目が覚めちゃったの♪」
そんな事を云う泉さんの目の下にクマが出来てるのに気付いた
「なぁ……もしかしたらあの後、寝れなかった?泉さん、今日仕事なのに俺のせいだな。夜中にグチグチと悪かった、ゴメン」
「へ?違います、違いますッ!金沢さんのせいじゃないよ。寝てないのは単純に嬉しかったからだも──」
しまった!と両手で口を押さえた彼女は、眉尻を下げ上目遣いの視線を向け頬を赤らめた。
その姿に胸が早鐘を打つ
泉さんの言葉の意味を知りたくて掌を伸ばした───
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