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「なぁそれって──「ちょっとぉ~何廊下で騒いで・・・ねぇ何があったの?二人とも顔真っ赤よぉ?」
リビングから顔を覗かせた馨さんに驚いて、泉さんの肩を掴みかけてた腕を慌てて下げた。
危なかったぁ~……何しようとしてんだよ、俺は。
泉さんの言う言葉は、いつも深い意味は無いじゃんか。気にするだけ無駄なんだよ……
「──さん、金沢さん。またココに皺、寄ってるよ。今度は何考えてるの?」
眉間に指を差し、しかめっ面をする泉さんと視線が合うと、彼女はふにゃと表情を崩しニッコリ笑った。
そんな泉さんの笑顔に釣られて、自然と俺も笑みを浮かべた。
「フッ。……仕事に行くまでまだ時間あるだろ?起こしてやるから部屋行って寝てろ。
寝不足で行って仕事にミスが出たら周りに迷惑がかかるぞ」
「うん、わかった。じゃあ私、寝るね」
フード越しに頭をポンポンと撫でてやると気持ち良さそうに眼を細めた泉さんは、俺の言葉にニッコリ微笑んで自室へと戻っていった
「あらまぁ、湊くんがそんな事するなんてねぇ……随分と仲良くなったわねぇ~……ウフフ♪」
なんてほくそ笑む馨さんに気付かないほど、自分のした行動が理解できずに掌をまじまじと見詰め動揺していた──────
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