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「彼処に住んで1ヶ月経ったな。どうだ、住み心地は」
「ははっ。まぁ楽しくやってますよ」
ふたりに言われた通り今は、素の自分で過ごしている。
口喧しく注意しても「うん、わかったぁ。気を付けるね」と素直に口にするから、つい「俺も言い過ぎた。スマン」と泉さんの頭を撫でるのが癖になってしまった。
ただ、頭を撫でると気持ち良さそうに眼を細める彼女を、抱き締めて可愛がりたくなるから困る……
一緒に食事をしていても全く不快感を感じない。
美味しそうに食べるし箸の持ち方も良い。普段着物を着てるせいか姿勢も良い。
兎に角、俺がやる事に関して『泣かない』『拗ねない』『キレない』『見栄を張らない』泉さんは今まで見てきたどの女より素直で癒される女性だった。
はっきり云えば、かなり好意的に見てる。
でもそれは恋愛感情抜きの話だ。
人柄が好きってヤツ
だってどう考えても、タイプじゃないし、彼女は変わってる。
強いて言うなら幼子。それか妹を可愛がるのと同じ感情だ。だから、あの胸の高鳴りは酔っていたからとしか云いようがない。
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