【其の7】ポヤポヤの本心は?

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「ハイ。焼けたぞ」 「ありがとー♪」 「飲み物頼もうか?」 「うん、梅酒ソーダ」 「野菜も食えよ」 「はぁい、わかったぁ」 「焼き加減が丁度いいから美味しいよ♪」 「そうか?次ぎは何がいい?」 「カルビ!」 美味しそうに食べる泉さんは見ていて気持ちいい。そんな彼女に釣られて俺も酒と箸が進む。 「ぷふっ!」 突然クスクス笑い出したから驚いた。 「ご、ごめんね。やっとわかったよぉ♪馨ちゃんが言ってた『オカン』っておかあさんの事だったんだぁ!」 「な、何を今さら……」 突然の事に、訝しげに睨んだ俺にひょいと肩を上げ一旦は笑いを納めた。 「だってぇ~、『オカン』なんて言うからわからなかったんだもん。 ……でもさ、ホントおかあさんみたいだよ金沢さん。フフッ。ねぇママ、お肉焼いて♪」 「誰が『ママ』だッ!」 「アハハハッ」 また余計な世話を焼いてたようだ。 今までコレで険悪な空気にしていたとわかってるのに、泉さんは嫌な顔もしなかったから失念していた。 そればかりか笑い飛ばすなんて…… 「……怒らないのか?」 「何が?」 「俺がこーゆー事するの」 「?金沢さんに色々気遣ってもらえて有り難いなぁ~とは思うよ」 それが何か?とでも云いたげな目をして「お肉焼いて」とおねだりする泉さんを無性に抱き締めたくなった。
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