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「馨ちゃんの彼女としてご挨拶しなきゃなんないの。いつもの事だけどヤダなぁ」
ちょっと待て。今何て?彼女として挨拶?
ズキッと胸が痛くなり落ち着かなくなった。
ソファーの上でゴロンと転がり「メンドクサイ」と足をバタつかせる泉さんに向けた眼が険しくなる。
「・・・泉さん。そこら辺の話を詳しく聞かせてもらおうか」
冷静に。焦らず笑顔で冷静に。と念じれば念じるほど低くドスが利いた声が出る。
誰にでも大なり小なり違いはあれど憶測や何となくで物事を理解する事って割かし多いはずだ。
聞き違いってこともある。
俺自身口喧しく言うのに相手の意見は深く追求せず、話の流れで『こう云う事だろう』と憶測で理解していた事が多かったと思う。
ちょっと変わってる泉さんと1ヶ月過ごしてそれが良くわかった。
特に泉さん相手だと実感する。
もう勝手な思い込みでドジを踏まないように、ここはじっくりしっかりトコトン聞かないとな。
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