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断られるとは思ってなかった親父さんは、一瞬した呆けた顔を憤怒の表情に変え怒りを露にした。
「一言訂正させてもらうと、泉さんは変わってるところもありますが、そこら辺の女性より素晴らしい女性ですよ」
チラリと泉さんを見て吹きそうになった。
・・・泉さぁん、又かよ……あんたの事誉めてんだからさぁ、変な人を見る目は止めろって。見えてんぞ。
脱力しかけたが、嘲笑う声に引き戻された
「はんっ!何を云ってる。こいつのどこが素晴らしいんだ。こいつは気が──「それがわからないなんて、貴方の目は曇ってるとしか例えようがないですよ。そんな貴方がまともな女性や仕事を紹介出来るとは到底思えませんけど……
あ、奥様は別ですよ。馨さんを育てた方ですから」
お袋さんに笑いかけると「あら」とクスクス笑った。
突然現れた見知らぬ男に虚仮にされるとは想像もしてなかっただろう。
泉さんにした仕打ちなどきれいさっぱり忘れて、怒りに身を震わせている。
「……貴様、目上の人間に楯突く気か」
「まさか。そんな事はしませんよ、尊敬できる方にはね。
……ただ……気持ち良く食事をしてる時に他人を侮辱する話が聞こえるのはかなり不愉快なんですよ。
場所も弁えず何をやってるんですか……
威圧的な暴言は言葉の暴力です。いい大人のやる事じゃない。そんな事も分からないのかっ!」
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