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「湊くん、あの人を止めてくれてありがとう。私たち家族がやらなきゃいけなかったのに。御免なさいね、嫌な役させて」
お袋さんの声に、はっとした
「いえ、その事はいいんです。俺も失礼な事を云ったので」
泉さんが辛そうだったから、したまでの事。またこんな事があったら容赦しねぇけど。
「フフッ。あの人も懲りたと思うわ。これで変わってくれるといいんだけど」
「変わらなかったら只の老害です。またやったら、いくらでも相手しますよ」
遠慮無く叩き潰すッ。
悔しかったら"好々爺"にでもなってみろ
お袋さんは、楽しそうにコロコロ笑いながら不思議な事を云った。
「あらま!それは困るわ。天の邪鬼を封印しなきゃダメね。
ねぇ、これからもふたりの事宜しくね
私も千尋ちゃんも、ずっと湊くんが美絢子ちゃんの側にいてくれたら安心だわ」
「え?」それはどう云う意味だ?
「おいっ!いつまでやってるっ、早くしろっ!」
「ハイハイ、今行きますよ。じゃあね」
こうして、ふたりを乗せたタクシーは3人に見送られ温泉街へと帰っていった。
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