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そんな女性客を忘れてたのか。
『泉』と呼ばれた女は人差し指を顎に当て、斜め上に視線をさ迷わせた。
「あ~…………そうね。・・・元気だったよねぇ、おば様方。あれは長生きするよ。うん♪」
のんびりそう言うと人差し指を立てて、ニヒヒッ♪と笑う笑顔に、茜は毒を抜かれ溜め息を吐いた。
「・・・はぁ~っ。泉さんってば何言ってるんですか…………
ホント、ポヤポヤしてるんだからぁ~
そんなんじゃいつか悪い男に騙されそうで心配~」
「ポヤポヤって……大丈夫よぉ」
ニヘニヘ笑いながら賄いを頬張る姿に癒されたのか、茜はあの客達への怒りも収まり笑顔になるのだった。
───収まると云うか、ドゥでも良くなったが正解だが───
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