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「良かったらど~ぞ♪」
美絢子はレジ横に置いてある【湯乃花温泉郷】の案内図やレジャースポットの載ったチラシを男達に手渡した。
受け取った男は美絢子の胸元、ネームプレートを確認するとニッコリ笑う。
「ありがとう。"いずみ"ちゃん明日暇?
俺達、明日はトレッキングコース回ろうと思ってんだよ。一緒にどぅ?案内してよ」
顔に自信があるのか。
イケメン風の男が王子様スマイルで誘うが、美絢子は誘われた事にも気付かず、華麗にスルーして呑気に話を続ける。
「あぁ~『華岡』のすぐ下ですからねぇ。
紅葉も見頃でイイですねっ。滝とか吊り橋とか…………楽しいですよね、2時間コース頑張ってきて下さいね♪」
「はっ?!1時間で回れるんじゃないの?」
「え?そんな短いコースでいいんですか?
私は歩くの嫌なんで考えたくないですけど、2時間コース、お薦めですよ?♪」
唖然とする男達に、ヘラッ♪と頭を下げるとカウンターに戻り、厨房で忍び笑いをする和明と茜に気付くこともなく仕事を続けたのだった。
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