【其の2】和風カフェのポヤポヤ

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***** 「ありがとうございましたぁ」 時刻は18:50 最後の客を見送り、店仕舞いを始めた。 卯月のCloseは19時。 若干早い気はするが、客足は途絶えたから良いだろう。 茜と掃除をしていると裏口から誰か来たようだ。 「お疲れ様。僕だけど更衣室に荷物置きに入ってもいい?」 「あ、(かおる)ちゃんお疲れちゃん♪入って大丈夫だよ」 「お久しぶりです、馨さんっ。今日もキレーですね♪」 店内に客がいないのが分かると"キレー"なおにいさんの"馨"は口調を変えた。 「クスッ。ありがとぉ、一週間ぶりよね、茜ちゃん。アナタもキレーよぉ。 この後食事でもどう?」 「よろこんで♪」 はしゃぐ茜と馨に和明の呆れた声が届く。 「・・・何云ってんだよ。馨はこの後仕事だろがっ。この馬鹿」 「あらやだ。本気にしたの?いつもの挨拶じゃない」 「「ねー♪」」 「はぁぁ~……馬鹿言ってねぇで夜の仕込み手伝えっ!」 『卯月』は、夜になると『bar-Uzuki-』として営業している。 オネェ言葉の猪亦(いのまた)(かおる)32歳はそこでバーテン兼雇われ店長として働いていた。 勘違いしないよう云っておくが『オネェ店長』ではない。 馨は『綺麗で優しい笑顔のイケメン店長』と女性客に人気なのだ。 オネェに変貌するのは親しい人限定
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