【其の2】和風カフェのポヤポヤ

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因みに住まいは、湯之花駅のひとつ手前の駅から徒歩5分、駅南にあるマンションの5階、4LDKの角部屋。 『凄いわねっ!家賃大変でしょ』 と、余計な詮索をしてしまうが、御気遣い無く。 このマンションは美絢子の父、和臣(かずおみ)の持ち物。 子供の頃から知っている馨だし。 同じ勤務先だし。 生活時間が真逆のふたりに間違っても"間違い"は起きる筈がない!と、快く同居を許可した。 そしてふたりのお家賃は、依怙贔屓(えこひいき)なくリーズナブルな金額を和臣に払ってる。 ・・・それはさておき・・・ 情けない顔で訴える美絢子に、馨は呆れた声を出す。 「…………何言ってるのよ…… よく聞きなさい、和輝からので・ん・ご・ん。 『今夜は実家に帰って来い。母さんが美絢子の好きな唐揚げ作って待ってるよ』ってさ」 「……ハイ……」 『唐揚げ』の言葉のに、見えるはずのない猫耳がピンと立ちウズウズ、ソワソワと「しょうがないなぁ」と足取り軽く実家へと帰っていった。
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