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「……ここに呼ぼうか?僕を相手にするより、彼女が居てくれるほうが楽しいだろ?」
「はぃ…………えっ?!いやっスミマセンッ!そんなことないですよっ。花岡さんのほうが楽しいですから。
……はっ!違うんですっ、そーゆー意味じゃなくて、あの、あ~……
はぁ~……今日はもう 帰ります。失礼しましたッ!」
見惚れたまま生返事をしてしまい、慌てて取り繕うがどんどん可笑しな展開に。
どうしたことか。こんな湊は珍しい。
これ以上の恥の上塗りは諦め、赤らめた顔のまま挨拶もそこそこにし、頭を下げると逃げるように帰る湊。
そんな湊を見送りながら『ふむ』と思案する恭兵は、まだそこにいた姪にもう一度視線を向けニヤリとほくそ笑む。
そんなこと湊は気付くはずもない。
例え気付いたとしても、どうしようもないのだが。
一方、変な汗を拭いながら車を走らせていた湊、誰もいない車内で愚痴る。
「あ"ぁ、クソッ!なんちゅう醜態晒してんだよ俺はっ!みっともねぇっ」
自己嫌悪に陥っていた。
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