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「そ~なんですね。今朝のサワラの西京漬けとだし巻き玉子美味しかったです。また作ってくださいね♪」
「────ってさ。そう言われて、今朝の朝食にまただし巻き玉子作って…………ナンだよ、その目」
ニヤニヤ厭らしく笑う杉山を睨み付けると、更にククッと喉を鳴らして笑った。
「いやぁ~湊の新生活は楽しそうだなぁ~ってさ」
「は?俺の話、聞いてたか?どこにそんな要素があった?」
コイツ何を言い出すんだ?!
「いや!十分あっただろッ!何言ってんの?!ずっと泉ちゃんの話ばっかじゃんかよっ!ねぇ?大将ッ」
「そんな事ッ・・・ん?」
思い起こせば確かにマンションでの事ばかり話してる。特に泉さんとの事だ
うわっ!恥っ・・・
一気に赤くなった顔を拳で隠したがそんなの意味もなく、得意気になった杉山が更に茶化してきた
「ほら見ろ。泉ちゃんの事、気になるんだろぉ~?」
「そッ!……それは、アレだ……そう、罪悪感だよ、うん。償いだ。彼女を傷付けたんだからな、それのお詫びってヤツだ」
それ以外何があるんだっ。
それを聞くと眉間に皺を寄せた不細工な顔で「ケッ!」と吐き捨て杉山。
「なぁ~に言ってるんだよ。泉ちゃん、気にしてないって言ったんだろ?それなのに湊がいつまでもグズグズ言ってるなんて、泉ちゃんに失礼じゃね?」
そうは云ってもしょうがないじゃんか。
そんな事云っても初対面の時や馨さんといる時は笑顔なのに俺と二人っきりの顔付きが全然違うんだぜ?どうせなら少しでも分かり合えて俺にもあの笑顔を・・・って、俺、何を考えんだ?
「それは……だからってお前、何でも恋愛感情に結び付け──「付けてませ~ん。『気になるんだろ』って言っただけじゃん。それに湊の好みは"自立した女"なんだろ?宇美ちゃんみたいな♪」
・・・絶句した・・・
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