【其の6】オカンの気持ちは・・・

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「……あぁ、その無表情な顔だよ。それで淡々と話すよな、俺には。笑顔で話す時は飯の事だけじゃないか…………」 今気付いたけど、俺は泉さんの無表情で淡々と喋るのが何考えてるのかわからなくて苦手なんだ。 「なぁ……見合いの時に傷付けた事……まだ怒ってるのか?やっぱり俺がここにいるの嫌か? ……泉さんのじっと見る眼がさ、責めてるみたいで正直辛いんだよ」 あぁ……俺、酔ってる。確実に酔っぱらいだ。 彼女に説教するだけのはずが、こんな話までするなんてな。 酔ってなきゃ言えないよ、ばか正直正直に『辛い』なんて。 ははっ。そうか、そうだったんだ。俺、辛かったのか・・・ヤベェな、情けなくて笑えてきた 「あ~……あの、まずはごめんなさい」 「ははっ…………ナンだソレ」 『まずは』って、意味わかんねぇ 「え?あ、あのね。私、人間観察が好きなのよね」 ・・・急に何の話だ?
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