ー花と圭太ー

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ー花と圭太ー

「もう! 講義始まっちゃうのに!」 大学2年生の花は同じ講義を受ける彼氏の圭太を探し歩いていた。 キャンパス内は講義を受けるために移動する者や、時間を潰すため休憩している人でごった返していた。 「あ、本当にヤバい…。」 花はもう一度時計を確認すると、残り時間は後10分を切っていた。 思い付く場所をあらかた歩き回った花は最後の望みを抱いてカフェテリアに向かい、学生たちで混み合っているカフェテリア内をグルリと見渡すと10人ほどの団体を見つける。 「あっ!」 圭太が入っているサークルのメンバーが集まって楽しそうに話をしていた。 花は数メートル離れた入り口で圭太がいないか確認するが余りの人の多さにハッキリと確認が出来なかった。 「どうしよう…。」 明るく人気のある圭太とは違い、おとなし目で人見知りをする花。 テーブルまで行って確認すればいい事なのだが、何となくためらってしまった花の足はそれ以上中へは進めなくて、数歩後退するとクルリと向きを変えてトボトボと歩き出した。
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