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01-00 プロローグ
吹きさらしの荒野。
草木一本生えていない死に絶えた地が眼前に広がっている。
いや、眼前に、というのは正しくない。
より正確に表現するならば、これは全方位に、と述べるべきだろうか。
見上げれば、空は使い終わった筆洗バケツのような汚い色に染まっていた。
太陽はその形を崩し、残骸が遥か先へ隕石となり降り注いでいる。
恐らく、そこもこの場所とさして変わらぬ光景に変わっているだろう。
そのまま立ち尽くしていると、からころ、と風に転がされて、白い棒状のものが右足に当たった。
骨だ。
ここが元々どういう場所だったのかを考えれば、一番可能性が高いのは――結論を出す前に小さくかぶりを振って、その思考を追い出した。
拾った骨は少し力を入れるとパキリと小気味いい音を立てて砕け、手から零れ落ちる。手のひらに僅かに残った残滓が、一際強い風に飛ばされていった。
「……どうして」
そんな俺の言葉に反応して、隣で静かに佇んでいた少女が無機質な声を発する。
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