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……もう、なんか、名前から恥ずかしい。救世主と書いてアンチテーゼと読んでるあたり、このときの俺の厨二病具合が窺える。今でも好きだけどな!
「まあ、でも、一応……50万PVなんだよなぁ」
PV――作品ページ閲覧数のことで、遊園地の来園者数のようなもの――はその作品のサイト内での人気を図る指標になる。多ければランキングが上がるし、ランキングが上がればさらに読者がついて、という仕組みだ。
この『アンチテーゼ(笑)』はサイト内『ライトノベルカテゴリーランキング』で最高一位、『総合ランキング』で十位を記録した。言ってみれば、俺の代表作。ちなみに、幻の前作はランキングなんて夢のまた夢、消した時点での累計PVは確か2000とかそのくらいだった。
二年間の毎日更新で累計50万PVを記録したこの作品を完結させた後、燃え尽きた俺は二年間オリジナル新作を書くことはなく今に至る。
「……でも、やっぱ面白ぇなぁ」
無事に黒歴史と化したわけだが、そもそも俺は俺の読みたいものを書いてたので、読めばやっぱり面白い。恥ずかしさこそあれど、読者の誰よりもこの作品を面白いと思っている自信があるし、誰より感情移入が出来て、そして、誰よりもキャラクターを愛している。
それゆえか、作品の拙さへの理解も人一倍だ。
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