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まあ、いいや、都合いいし。
ソフィーに顔を向けると、じっと見つめられた。
バレてますね、これ。
「まあ、それはいいんだけど……そういえば、どうしてこんなところに雷撃猪がいるの?」
「どうして……って、ああ、いや、お前を追ってたごろつきはいねぇよ。こいつを見て逃げたんじゃねーの?」
「そうなんだ……って、だったらなんであなたがそのことを」
「『相手の過去が視れる能力』」
「へぇー! すごいのね!」
キラキラと尊敬の眼差しを向けられた。
本当に大丈夫かこいつ……そんな能力ねーから。
つーか、この世界、特殊能力とかねーから。
強姦に追われていたつもりが猪に変わっていても気付かないような女である。
なんとなくこのアホさにも納得してしまう。
でも、これでよく生きてこれたな……。
「問。これからどうするのですか?」
それ「とい」って発音すんのか。
訓読みと音読み統一しろよ。
「どうするっつってもな……」
まあ、一応、現状は受け入れられた。
どういうわけか、生き物を殺したことによるショックもたいしてないし、戦うことに関しても問題なく出来る。
なら、ここはとりあえず、シナリオ通りに進んでおくべきだろう。
「アメリア」
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