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いつもはカラスと鳩がなんで仲悪いのかな?とかポテチは何味派?とかのほほんとした話なのに……。
俺は動揺を見せないようにいつも通りの感じで、分からない、と答えると彼女は顎に手を当てて、
「やっぱり私はうんち味のカレーだと思うんだよね」
やっぱり体裁を気にするという面でそういう事なのかな?と当たりをつけながらも、どうして?と定型文で返す。
「だって、カレー味は私は知ってるけど、ウンチ味はまだ知らないから、美味しかったらいいなー、って」
一瞬何言ってんだこいつ、と思ってしまうような言葉でも、よくよく考えると、妙に納得できるセリフだった。
そんな彼女に、俺はそんなこと言ったら引かれるんじゃない?と冗談気味に返す。
「だって、知らないのに決めつけちゃうのはちょっとダメだと思うからね」
ふーん、と頷く俺に、彼女は付け加えて、
「知りもしない人のことをどうこう言うのはダメ、ってのと同じもんだと思うんだけどね」
と言った。
彼女はトンチンカンなことや、深いっぽい言葉を話す。
そんな彼女は誰よりも自分を知っていて、誰よりも人間を知っていて、誰よりも大人なんだな、と俺はそんな考える。
俺はそんな彼女にすごいね、と月並みな一言告げると、教室には、三人目の生徒が入ってきて、
「コノイさん、おはよー」
と声をかける。
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