#2 夏が来る

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 梅雨が終わり、とうとう季節は夏へと移り変わった。太陽は、地面を容赦無く照り付け、焼け焦がす勢いである。今年はどうやら猛暑になるとの事だ。  白いワンピースを着た彼女の事を思い出す。去年は、ひまわり畑へと出掛けた。ワンピースの白色と、向日葵の黄色と、空の青色のコントラストは今でも明確に思い出せる。今年は何処へ行こうか。君は、何処へ行きたいだろう。 「なーに、たそがれてるの?」 「たそがれてはいないよ」  彼女は去年より、少し髪の毛が伸びて大人っぽくなった。笑顔になると、途端に子供らしさがみえる。  今年の夏は、海に行こう。二人で堤防から水平線を見よう。
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