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「そうそう。でね、その儀式っていうのが、人形を使うらしいんだけど……」
あたしの疑問に答えながら、友達はもったいぶるように言葉を止め、自らの手首を手刀で叩くみたいな仕草をして見せた。
「人形の手足を切断して、目玉を抉り取るの。そうして、その手足と目だけを回収して持ち帰ろうとすると、廃墟の中から手足と目玉のない女が犬みたいに四つん這いになって、絶叫しながら追いかけてくるって。それも、車で逃げても振り切れないくらいの速さなんだってさ」
「……どういうことそれ? 何で人形の手足取ったり目を抉ったりしなきゃいけないの? その人形が女の幽霊になるってこと?」
いまいち意味が理解できずにあたしがまた問いをぶつけると、友達はフルフルと首を横に振ってみせた。
「もうかなり前らしいんだけどね、その廃墟で凄惨な殺人事件があったんだって。騙されて連れ込まれた女の人が、強姦された挙句に殺されて、手首と膝から下を切断されて目を抉り取られた姿で見つかったって」
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