それぞれのエピローグ

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 振り込んで来たのは、三吉りさである。そもそも、あの日、三吉りさは山下公園から姿を消した。本当の名前をも語らず。そして、彼女が見つけてほしいと依頼した捜索人は、元兵庫県警の刑事だった三津目透だ。彼を見つけたのはひなこのお陰である。探玄からの指示で『三吉りさ』の素性を探っていたところ、5年前に殺害されていたという事件に当たり、探玄の後輩に頼んでこの殺人事件について調べてもらった。すると、担当している兵庫県警捜査一課の刑事に面白い能力を持った刑事がいることが分かった。その彼の名前が三津目透。  探玄の後輩である蓮澄は現在警部補である。その彼が話す内容は、『どうも、その三津目という刑事には不思議な力があって、いわゆる霊感というんですか。霊が見えるそうなんです』と自分自身が幽霊に弱いとあからさまに言っているかのように怯えながら話していた。 「その彼、三津目さんは今は何をしているんですか?」とひなこが尋ねると、蓮澄は、『彼は退職したと思っているようですが、実はまだ兵庫県警には籍が残っていて、刑事局長扱いの特命という形で犯人捜査に当たらせているそうですよ』と教えてくれた。 「で、彼はどこに?」とひなこがもう一度、同じことを尋ねると蓮澄は、元兵庫県警の警視正だった鈴井という人物を紹介してくれた。  そこから辿っていった結果、三津目に辿りつき、メールで探玄に三津目の居場所と連絡先が伝わった。探玄は昼過ぎから何度か連絡を入れた結果、三津目と中華街で落ち合うことにしたが、失敗。再度、連絡を入れたのち、山下公園で待ち合わせることが出来た。  そこで三吉りさの正体を暴き、彼女の意図する目的を聞き出そうとしたが、周りにいた急病人の男性を救う活動をしている中、彼女、三吉りさは姿を消した。     
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