第三話 親に紹介したい系

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 今日のスケジュールをチェックしながら、そういえば流助の発情期がそろそろなはずだと思った。基本手ぶらで出歩く流助に、ちゃんと緊急ヒート抑制剤を携帯するよう注意しなければならない。  外出中にヒートが来たら大変だ。  そして鳥飼もイオも避妊に気をつけなくてはいけない。ヒート中のΩと性交すると、高い確率で妊娠することがわかっている。  子どものことは「いつか欲しいね」でとまっている。そろそろ家族会議のちゃんとしたテーマにしてもいいかもしれない。  Ω男性の妊娠出産はβ女性やΩ女性と違い、現代医学でも解明されていないことがたくさんある。子どもをつくるなら、専門の医療機関と相談しながら進めたいと鳥飼は考えている。そのあたりも調べる必要があるな、と脳にメモする。  同時にイオのことを考えた。流助が妊娠したら大変だろう。イオは流助の身体の変調には本人以上に過敏だった。それが妊娠などということになれば、大騒ぎだ。  最初からそうだったわけじゃない。そうなったのには理由があった。  
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