秘密に触れないで

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 俺は思わず自分の口を抑え付けた。男同士の性交を知らないわけではない。朝日のことを学校中の誰より可愛いと思っていることも事実だ。正直、朝日の白くて細い首筋や、潤みがちな大きな瞳に欲望をかきたてられたことがないと言えば嘘になる。けれど俺は、その事実を躍起になって打ち消した。女みたいな朝日が悪い。小柄で色白で、手足も細い、柔らかそうな肌と唇がいけないのだと思っていた。だからアイドルの水着を眺めながら朝日は誰がいいかなどとしつこく尋ねた。おっぱいや尻の形の好みを聞き出そうともした。その度に朝日は困ったように笑って、頬を赤くしながら俺に調子を合わせるのだ。  男が腰を振りながら、もぞもぞと手を動かしている。朝日のペニスを扱いている。 「いや・・・やめて・・・・・・」  力なく言って朝日が首を振る。 「いいぞ、いい締まりだ」  男は手の動きを早めて朝日を追い詰める。 「ほらイケよ、エロガキ。イっちまえ」  同時に男の腰の動きが速くなる。一方的に容赦なく朝日を揺さぶる。 「ンッンッンッ」  朝日から小さな喘ぎが漏れる。 「うっ」  男がびくびくと痙攣し二人の動きが止まる。朝日の中で射精したのだ。男は朝日を掴まえたまま、二度三度ゆるく動かし、最後にぐるりと腰を回すとペニスを引き抜いた。弛緩した足は解放されるとそのまま床に落ち、だらしなく開いたままでいた。互いに呼吸を荒げていたが、男は床に落ちているスマホを手に取ると、朝日の開いた足の間や、ぐったりと横たわったまま動かない身体、顔や全身を撮影した。パシャパシャとシャッター音が鳴っているのに、朝日はぴくりとも動かない。  男には見覚えがあった。小学生の頃、時々、俺たちの遊び場を見に来た同級生の須藤の兄だ。何をしているのかは知らないが、暗い目をした陰湿な男で、俺は彼のことが嫌いだった。  男が朝日の足を蹴る。するとぐずぐず泣きながら、ずりあげられたTシャツを戻してよろよろと立ち上がる。落ちている下着を拾うとき、朝日の白い尻から、粘着質の精液が太腿に向かって伝うのが見えた。
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