参 君に恋をした 4000

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 ワタシはグロックを寒空の下に誘った。吹雪がビュービュー吹いている。あまりの寒さに心臓麻痺を起こすんじゃないかと思った。 「このクソ寒いのに何をしようってんだ?」 「相田と駅長は裏切者だ」  あの2人も大切な仲間だ。相田の日本刀、駅長のケツ吹雪がなかったら今頃死んでいた。  4人の方がそりゃあ心強い。  だが、2人きりになるにはこの方法しかない。  そう!ワタシは彼に恋をしてしまったのだ。 「何言ってるんだ?一緒にサイを倒した仲間じゃないか?」 「チヒロって名前に心当たりはない?」  あんまり悩ませるとそれもストレスになる。  彼とは争いたくない。 「誰だよ?それ?寒いなぁ?早く戻ろうよ?」  視界が真っ白になる。ホワイトアウトだ!  この寒さでハキハキしゃべれるのは私たちが人間ではない証拠だ。  タイムマシンはこの先の樹海にある。  それに乗って2人でランデブーしたい。  なるたけ平和な時代にタイムスリップしたい。  アメリカンポリスを見ていた2017年の大晦日がいい。炬燵でぬくぬくしよう。  逃げ恥の再放送を見よう。2人で。  そっ、そりゃあガッキーみたく美人じゃないけど?料理には自信があるんだから!おせちくらいなら自分で作れる。イクラ買って、かまぼこ買って、伊達巻くらいなら作れる。やってトライの失敗娘じゃないんだから。 「君って3日で死ぬのよ?」なんて言ったら信じてくれないだろうな?しかも、人を殺さないと3日で死ぬのよなんて。言いたくない!せっかく好きになれたのに! 「死なないでよ!」  不意に口から出ていた。 「はっ?」 「心臓の病気持ってるでしょ?」 「イヤ?至って健康だけど?」 「そっ、そう?それはよかった」  よくないよ!  タイムマシンに無事乗り込んだ。 「あったけー」  暖房が効いてるわけじゃないが。心地いい。  20171231とボタンを押した。
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