四 人を殺しちゃいけないよ 

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 駅長は逢魔ケ島にあるウィルダネスにやって来た。殺してはいけない人間を探し出すってのは本当に難しい。  ウィルダネスは荒野を意味する。  色とりどりの家がある。赤や青、黄色。  頭の悪い人間たちの集合体だ。  ナカナカ自分の家を覚えることも出来ない。  ウィルダネスってゆー施設の名前らしい。 「近くにある海にはカリュブデスって怪物がいる」  赤い家の住人が言った。 「オイオイ、ここは日本だぞ?」 「いるったらいるんだ!」  カリュブデスってのはメッシナ海峡に棲んでいる怪物だ。1日3回、渦潮を巻き起こして船を沈めるって噂だ。船かカリュブデスを避けると洞窟からスキュラって上半身が女で、下半身は犬の頭が絡みついた怪物に襲われる。 「うるせーな!馬鹿は嫌いなんだよ!」  駅長はケツから吹雪を放って赤い家の住人を凍死させた。 「刺したり殴ったりするのは俺の趣味じゃねーんだよ?」  さて?殺しいい人間なのだろうか?あとでメールで送られてくる。    LINEが来た。 《グロックを殺した奴を見つけた アイ》  。がついてない。まぁ、どうでもいいことだ。  別に仇なんか取りたいとは思わない。  ゲームの参加者は少ない方がイイ。  もう奴のレーザー光線に怯える必要もない。   《殺した奴の名前は?》って送った。  施設を出て噴火口までやって来た。  ケツから吹雪を放ってマグマを凍らせた。 「フゥ、あんまりやると痔になるんだよな?」  火山を止めることが出来たらスーパーヒーローになれるだろうな?来年には孫が産まれる。  この恥ずかしい魔法とソロソロお別れしたい。  せめて口から吹雪にしてもらいたい。  スマホでボスに電話した。 「約束のとおり噴火を止めたぜ?違う魔法を使わせてくれよ?」 『よし!分かった』  ポチポチポチ、ボタンを押す音がした。  ウィィィィィィィン!掃除機みたいな音がしている。 『鼻毛を抜いてみろ?』 「ハァ!?」  右の鼻毛を抜いた!プチッ! 「イテッ!」  プシュゥゥゥゥゥッ!  右の鼻の穴から吹雪が吹き出た。  運悪くヴォルガニック・ドラゴンが現れた。  噴火口を基地にする竜だ。 「寒いな!野郎!」  ヴォルガは翼をバサバサやって飛び立とうとしている。逃がすか!  駅長は左の穴の鼻毛を抜いた!プチッ!  プシュゥゥゥゥゥッ!  ヴォルガを倒した!    
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