伍 2代目Glock 4000

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伍 2代目Glock 4000

 Berettaは毒薬図鑑を閉じた。涙が溢れた。    愛していたGlockが死んでしまった。  黒葉市にある墓地にやって来た。  Glockがこの下に眠っている。  スマホが鳴った。ボスからだった。 《大変だ!殺しだ》 「現場はどこです?」  ボスはわけのわかんないことを言った。  Berettaは少しだけ耳が悪い。銃声で耳をやられてしまったようだ。 「お?なに~?下だとぉ!?」  墓の中が事件現場とは前代未聞ね? 《Beretta、朝からエロいこと言ってんなよ?》 「は?何のこと?頭大丈夫」  梯子を伝って墓の中に降りた。  駅長、相田、それからGlockに瓜二つな青年がやって来た。 「Glock?生きていたの?」 「今日からこちらでお世話になりますダイゾーです」 「100円ショップみたいな名前ね?」 「そりゃあダイソーだろ?」と、相田がツッコミを入れた。大蔵って書くらしい。財務省の前は大蔵省だったよな?  ミイラがたくさん安置されていた。  無数の棺桶がある。  その中に真新しい遺体があった。 「こめかみを撃たれたようだな?」  相田が言った。 「かなりの手練だ」と、駅長。 「臭いな」  相田が鼻をつまんだ。  ウンコや小便をもらしてるから仕方ない。  しかも密閉された場所だけに濃い。  遺体は男だった。 「何で包帯を使わなかったのかな?」  オークラが言った。 「ハ!確かにそう言われたけりゃ。間違えた、そう言われてみりゃ」と、Beretta。 「相当な重労働だったろうな?ここまで運んだんだ。腰に来てるはずだ、その辺を聞き込んでみて腰を押さえてる奴がいたらソイツが犯人だ」  相田が『俺が主役だ!』的な顔をした。 「今のはオークラの推理があったからだろ?」  駅長に言われて相田が唇を尖らせた。 「ちげーよ!俺が言ったからだよ」 「怒るなよ?まぁ、腰が悪いのはナカナカだったな?」  Berettaが赤ちゃんをあやすように言った。 「とりあえず出よう、臭え!」  オークラが大量に吐いた。 「よくぞ我慢した」  駅長もオークラにつられて吐いた。 「くっ、くせぇな!」  相田が吐いた。  Berettaは吐くことはなかった。  マスクにニンニククリームを塗っている。  ニンニクは強烈な臭いをガードする作用がある。  芳香剤などは逆効果だ。  そりゃあBerettaだって最初の頃はよく吐いた。  
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