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「陽菜ちゃん、どうしたの?」
桔平君が走って門のところまでやって来てくれた。門を開けて、外に出てきてくれた。
久々に見る桔平君に、ドキッとした。
「あの・・・・急にごめんね。もうすぐ受験の日だから、応援の代わりに、コレ持ってきたの。夜食に一息つく時にでも、食べてもらおうと思って。あと、お茶も淹れてあるから、一緒に飲んで」
「もしかして、その為にわざわざ来てくれたの?」
「うん。頑張ってね。それから、これも」
私は、ケーキとお茶の入った紙袋を桔平君に渡し、もうひとつの小さな袋を取り出した。「合格祈願のお守りなの。頑張ってね、桔平君」
「ありがとう。嬉しいよ、陽菜ちゃん」
桔平君は紙袋を受け取って、笑ってくれた。迷惑にならないか心配だったから、喜んでくれたみたいで、良かった!
「あのね、そのお守り、試験の前に開けてみて。きっとリラックスできると思うから」
「うん、すごく嬉しいよ。本当にありがとう!」
「じゃあ、忙しいのにゴメンね。急にお邪魔しちゃって。また、桔平君がブレイクに来てくれるの・・・・待ってるから」
「ありがとう。合格発表の日、一番に結果を陽菜ちゃんに伝えに行くよ」
「うん、待ってる」
別れを告げ、私は帰宅した。
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