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そうか。そうだったんだ! これは、蜂蜜と、薔薇の混ざり合った匂いだったんだ!
甘い、ハニースウィートと、恐らく花のケーキの隠し味に使っているという、薔薇のジャムを混ぜた匂い・・・・。きっと、この二つの匂いをブレンドさせたものを、何時ものお茶に混ぜていたんだ。
僕の好きな匂いだ。この香りは、とても心を落ち着けてくれる。
会場に入って緊張していた心が、ほぐれるのが分かった。
でも、どうしてこれを僕に・・・・?
大切な人にしかこの秘密は教えない、って言ってたのに・・・・まさか・・・・。
――ねえ、陽菜ちゃん。自惚れてもいいかな?
僕は、君の大切な人だって、想ってもいいかな?
どうせ僕なんか、とは、もう思わないぞ!
もう、何にもない僕なんかじゃない。君が僕を変えてくれたんだ。
絶対、何が何でも試験に合格して、自信をつけて、君に伝えるんだ。
僕に勇気をくれたこと、感謝の気持ち。
――それから、君が、好きだっていうこの気持ちを。
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