#13 蜜

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 そうか。そうだったんだ! これは、蜂蜜と、薔薇の混ざり合った匂いだったんだ!  甘い、ハニースウィートと、恐らく花のケーキの隠し味に使っているという、薔薇のジャムを混ぜた匂い・・・・。きっと、この二つの匂いをブレンドさせたものを、何時ものお茶に混ぜていたんだ。  僕の好きな匂いだ。この香りは、とても心を落ち着けてくれる。  会場に入って緊張していた心が、ほぐれるのが分かった。  でも、どうしてこれを僕に・・・・?  大切な人にしかこの秘密は教えない、って言ってたのに・・・・まさか・・・・。 ――ねえ、陽菜ちゃん。自惚れてもいいかな?   僕は、君の大切な人だって、想ってもいいかな?  どうせ僕なんか、とは、もう思わないぞ!  もう、何にもない僕なんかじゃない。君が僕を変えてくれたんだ。    絶対、何が何でも試験に合格して、自信をつけて、君に伝えるんだ。  僕に勇気をくれたこと、感謝の気持ち。 ――それから、君が、好きだっていうこの気持ちを。    
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