序章━━ ヘリオス

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「おい、ヘル。  お前、  何、他人事みたいな顔してんだよ」 ほんの数秒の間に、 4人の若者を叩きのめしたその人は、 息を乱すこともなく、 まるで何事もなかったかのように、 話しかけてきた。 「見とれてました」 「なんだそりゃ」 ヘリオスが笑顔で答えると、 ユースは呆れたように肩をすくめる。 「片付けは手伝えよ」 「はい」 もちろんこの場合の『片付け』とは、 すっかりノびている若者を、 店の営業に支障のない場所へ、 放り出すことである。 ユースはあっさり2人を持ち上げると、 いとも簡単に運んで行った。
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