序章━━ ヘリオス

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そういうヘリオスも、 十分に人目を引く出で立ちだった。 他人からはよく、 『色男』の分類に入れられる。 が、 『ただキレイなだけではない、 野生的な魅力があり、 かと言って野蛮なわけではない』 らしい(恋人談)。 恋人のルーナは父親を『セクシー』、 彼を『ワイルド』と評したが。 今ではそれが、 彼らの代名詞のようになっていた。 「父ちゃま、  みーっけ!」 残りの2人を両肩に担ぎ上げて、 ユースの後を追うと、 大通りに幼い少年の声が響く。 「お。  来たのか、クール」 ユースは人気のない路地へ、 若者を遠慮なく放り投げると、 とびっきりの笑顔で突っ込んできた、 息子を楽々と抱き上げた。
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