序章━━ ヘリオス

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「このひとたちは、なにをしたの?」 「売られた喧嘩を買っただけさ」 「あぁ、  ウンのワルいひとたちなんだね」 あどけなく、きゃはっと笑う。 クールは桁外れに可愛い、 天使のような顔をしているが。 その実、 大人にも引けをとらない豪胆さを、 備えている4歳児だ。 「ヘル兄も、おてつだい?」 「片付けだけな。  そもそもは、  2人でお茶してたはずなんだが」 「いいなー。  ぼくも、  ヘル兄とおチャしにいきたーい」 「んじゃ、  明日はブランチでも行くか?」 「いくいくー!  あした、ヘル兄、おやすみだよね?」 「休みだし用もない。  ただ、  レポートを仕上げなきゃならないが。  ……んで、  クールは誰かと一緒じゃないのか?」 「パパがくるよー」 この『パパ』とは、 自分の父親のことではない。
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