事の始まり

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事の始まり

「創造君、来たよっ!」 御座成悦子(おざなりえつこ)は無意味に元気な声を上げ、御座成創造(おざなりそうぞう)を驚かせた。 「や、やあ。  今日も元気だね。  いつもの倍ほど元気なんじゃないの?」 何事にも動じない創造を驚かせるものは、父の御座成功太(おざなりこうた)とこの悦子だけなのだ。 同じ御座成姓だが、悦子と創造、功太には肉親関係はない。 そもそもこの世界に、血の繋がりなどはないのだ。 お互いの関係は、魂で繋がっているだけなのだ。 悦子からのオファーで、創造はある説明をしなくてはならなくなった。 創造は計器を見て安全確認を行ない、早速悦子を暗い空間へと誘った。 「エッちゃんがここに来たと言うことは、  大体想像はついているんだけどね…」 創造は功太お抱えの全てにおいてのエンジニアだ。 現在は、この秘密基地で宇宙空間へと旅立たせる 宇宙船『ファミリア』の造船を終えたところだ。 「コーちゃんからの依頼、凄くたくさんあったけど、  一体何人で作業してるの?」 「あれ?  エッちゃん話し方が…」 創造は怪訝に思ったが、今は保留としたようだ。 「…ああ、今は30人だよ。  ファミリア程度なら、5分で造り終えられるんだけど…     
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