死神に召されたい

1：シックスセンス

2次元に生まれたかった。
たとえ一瞬で消えてしまうモブキャラであっても。
その一瞬しかなくても悦びであるから。
絶賛中二病を患っているオタクである。
何も特別な事も、特殊な環境でもなくごく普通の人間。
ただ人と違うとすればママがミエル人なだけ…。
私には見えなければ感じる事もない。
いったいどのような世界なのだろうか。
ママは普通の人に紛れてみえてしまうから怖いと言っていた。
だからママは夜には出歩かない。
お昼と違ってはっきりわかってしまうのだとか。
私にはその感覚さえない。
だからないものねだりをしてしまう。
私にも見えていたら少しはこの世界も面白かったのかもしれない。
でもそんな私にも一瞬だけ影響を受けた時期があった。
ママの力が一番でていたときは、不思議と毎日の自分の運勢がわかった。
当時は、気にしていなかったが後々考えればママの影響である。
そう私が憧れた2次元的な現象はあの一瞬だけだった。
もしも、もしももう一度機会があるのならちっぽけでいいから自覚して優越に浸りたい。