第3章

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ジンとライムジュースを用意すると テヨンは赤いシャツの袖を捲った。 雪のように白い手首が覗き 僕の目を――いや辺りの客みんなの目を釘付けにする。 が――テヨンはそんなのお構いなし。 目分量で材料を注ぎ込むと 肩のあたりでリズミカルにシェーカーを振り始めた。 セクシーな長い指。 伏し目がちの睫毛とその物憂げな瞳。 赤いシャツと揃いの赤い唇は 事の最中のように。 (うわぁ……) 半開きになったまま リズムに合わせて浅く呼吸を繰り返す。
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