5人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
××歩道橋
それは、深夜0時過ぎ。
同僚数名と居酒屋で盛り上がり、気が付くと終電はなくなり、通りにはタクシーも車すらも走っていなかった。
他の奴らは電話でタクシーを呼んで帰ったが、俺は次の日会社も休みだったし、歩いて帰れない距離でもない。
ついでに少し酔いでも覚まそうと、歩いて帰る事にした。
片側三車線の大通り、街灯だけが灯る寂しい道をただただ真っ直ぐ歩く。
昼間とは違い、車の数も少なく、人とすれ違う事はない。
しばらく歩くと、前方に大きな歩道橋が見えてくる。
その歩道橋は少し歩けば横断歩道がある。
だから、わざわざその歩道橋を上る人間は少ない。
それに、かなり老朽化も進み、階段も手すりも錆びている。
鉄板に開いた穴からは、下の地面が見えるほどだ。
最初のコメントを投稿しよう!