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だが、俺はその歩道橋を上った。
横断歩道まで歩くのが面倒くさかったから。
息を切らせながら階段を上りきると、下では気づかなかったが、橋のちょうど真ん中らへんでOL風の女が道路の方を向いて立っていた。
ほんの少し、俺は嫌な予感がした。
こんな人通りのない時間、場所に、一人道路をじっと見つめて立っている女。
俺は引き返そうか迷った。
だが、振り返ればまた何段も続く階段が見える。
俺は、なるべく女に気づかれないように、ゆっくりと反対側の階段に歩き出した。
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