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「良かったですね。明日も来てくれるみたいで。
でももう少し優しくドアを閉めてくれたらいいんだけど」
鶯生が帰って数分後に担当の女性看護師が初老の男性の部屋へ入って、点滴を代えながらチラっと彼を見た。
「そう言わずに、まだ発散出来る物が見つからなくて足掻いてるんですよ。
それにこんな老いぼれもまだ必要とされてるなら有り難い」
鶯生は高校2年の時怪我により部活を辞め、1年強の猛勉強の末、大学を受験し第1志望に合格したのだが、逆にそれが仇になって目標を持てなくなっていた。
初老の男性は鶯生のその怪我で入院中に同室で、今は入退院を繰り返していた。
「今日のあの子はどんな格好でしたか」
「髪の毛は緑色でピアスもこんな長いのをしてましたよ」
そう言った後、看護師は“あっ”と口を押さえ「チェーンみたいなのが下がってました」と付け加えた。
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