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大学の帰り道、鶯生は男性がいる病院へ自転車を走らせていた。 黒のリュックを背負って2段飛ばして階段を駆け上り、男性の部屋の前に着くや否や勢い良くドアを開けた。 「じじぃ、生きてるか!」 男性は声の方へしかめっ面で首を捻った。 「もう少し静かに開けんか。俺は生きてるから安心しろ」 鶯生は「はいはい」と言いながらコンビニで買ったお見舞い品をテーブルに置き、椅子に座った。 「俺、スポーツしかしてこなかったからさ、駄洒落上手く作れないけど、昨日かなり本を読んできたから今日は負けないからな」 男性は「その前に鶯生はスマホ持っているか」と訊いた。 「持ってるよ」と鶯生はポケットからスマホを出しながら答えた。
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