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「ていうかどういうことこれ? 少なくとも今まで出会ってきたエキセントリックバードって問答無用ですぐに襲いかかってきたよな?」
それが何故か、今は頭部を肥大化させることなく、至って落ち着いた様子でこちらに語りかけてきている。何事かとレイチェルに視線を向けると、レイチェルは少し困った様子でエキセントリックバードを見つめていた。
「あれ……エキセントリックバードのオスだね」
「オス? オスって……なんかメスと違いでもあんのか?」
「うん。エキセントリックバードのメスは、人間を見つけると問答無用で襲いかかってくる糞野郎なんだけど、オスのエキセントリックバードはとっても紳士なの」
ツッコミどころが多すぎて開いた口が塞がらない。どういうこと?
今まで俺たちが出会ってきたのは全部メスだったってこと? メスの割合多くない? メスとオスで結局どちらもムキムキマッチョのブーメランパンツなのはなんで?
教えてよ神様。
「敵意がないならまあ……楽だな。ていうかそれで言葉も通じるんだったら仲間にしやすいんじゃないのか? ヒロシにピッタリの仲間っぽいし」
「いやぁ……やめといた方がいいんじゃないかなぁ。確かになんでか知らないけど言葉もしゃべれるし、自分たちがモンスターだってわかってるけど……」
敵意がないにも関わらず、レイチェルはどこか苦い顔を浮かべていた。
よくよく見ると、セナも、ミナも、サトウチも引きつった顔をしている。
「とりあえず……イコッカ? 敵意ないみたいだし」
そして、ちゃんと説明しないまま、レイチェルたちはそそくさと先へと歩き出した。
わけがわからず俺とヒロシは顔を見合わせて首を傾げるが、素直に従って後を追う。
「マテ……驚カセテシマッタお詫ビニ私ガ仲間ニナッテヤロウ」
すると、話を聞いていたのかエキセントリックバードはそう言いながら、手のひらをこちらに向けて歩み寄ってきた。一歩ずつ、にじり寄るように近付いてくる。
そして、一歩、二歩、三歩と動き出した瞬間のことだった――、
「ぐぎょっぇえぇぇぇえええええふるふぉるかこぽぉおおおお?」
突然、奇声をあげて顔を肥大化させ、高速回転させながら陸上競技選手も真っ青なフォームで走り出してきた。
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