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Mはポケットから携帯を取り出すと、お盆に親族で集まった時の写真を見せてくれた。そのほとんどが女性だ。男の最年長がMだった。
「すごいな・・・・・・」私は絶句していた。
「俺は今年で39才だ。残り1年でこのジンクスを破ることができる」
「今まで一人も例外はいないの?」
「いることは、いるよ・・・・・・過去に40才の壁を超えた男には共通点があるんだ。きっと話しても信じてもらえないと思うけど」
「そこまで話したなら、最後まで教えてくれ」
「人を殺した男だけが40才を超えられるんだ」
「え?」
「かなり昔の話なんだけど、俺の先祖が当時有名だった霊能力者に診てもらったことがあるらしいんだ。その時に言われたのが『あなたの一族は先祖代々強力な呪いを掛けられています。それを解除する鍵は呪いを人になすりつけることです』だって。それはつまり殺すことだったんだ」
「・・・・・・」私は相談に乗ったことを急に後悔していた。
「叔父が居眠り運転して、人を数人轢き殺したことがあるんだ。その叔父が最初の40超えの男だ。今も刑務所にいるけど・・・・・・」
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