道連れ

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「どういう意味なの?」私は眉をしかめた。  K氏は10代の少年がやるように、変わり者を演じているだけだと思っていた。年齢はもうすぐ30才だ。いつまでも子供のままでいられては困ると、説教のひとつでもしてやろうかと私は思っていた。 「僕の家族は先祖代々、人を道連れにすることができる特殊能力を持っているんです。呪いと言ったほうが正しいかもしれません」 「どういうこと?」 「自分が死ぬと、殺したい相手も道連れにできるんです」 「・・・・・・は?」 「祖父は70才を過ぎた時に、○○社の社長を道連れにしました」 「へえ」馬鹿馬鹿しくなった私は、適当に相槌を打っていた。右肩上がりで業績を伸ばしていた○○社の社長が突然首吊り自殺したのは有名な話であったが、K氏の祖父との因果関係などあるわけがない。  その後も、祖先たちが人を道連れにした話を延々と聞かされ、私は辟易していた。歴史上の人物の名前まで飛び出してくる始末。
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