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「K君も人を道連れにして死ぬの?」
「僕はまだしません。でもいずれはすると思います。ウズウズしてくるんです。一族の血なんでしょうね」
「血ねぇ・・・・・・」
「相手を殺すのは最終手段であって、普段はケガとかさせて小銭を稼いでます。僕が最近引き受けたのは、日本代表のサッカー選手です。ライバル選手の足を骨折させてほしいと言われてやりました」
K氏が名前を挙げた選手は、昨年試合中に骨折をして戦線離脱し、代表メンバーから外されていた。同じ時期にK氏が足を骨折していたことも私は覚えている。
「無理やり結びつけているだけでしょ?」私は苦笑いでツッコミを入れた。
「・・・・・・僕の顔の傷もそうですよ」K氏はオデコの絆創膏を指さした。「これはある女優からの依頼です。映画の主演を有力視されていた他の女優の顔に怪我を負わせてほしいと頼まれたんです」
「ふ?ん」
「さっきから全然信用してくれていませんね」K氏は寂しそうに言った。
「信じられるわけないでしょ」私はキッパリと否定。これ以上与太話に付き合わされるのは御免である。
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