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お店は、扉が開くのか?と思うような作りで、ガタッ、ガタガタッと戸が開き、中はカウンターだけの小さな店だった。 「親父、いつもの席でいい?」 「どうぞ。いつものでいいかい?」 「おまかせで」 「先輩?」 「何飲む?って言っても、ビールとジュースと焼酎しかないんだけどさ」 「じゃあ、ビールで」 「親父グラス二つ、ビールね」 グラスに注いでもらい、乾杯とグラスを合わせてから、ついクピーッと一気に飲み、「あー、うまっ!」と声に出してしまう。 「いい飲みっぷりだな」 「いいんですか?」 「今日だけ二十歳でいいだろ?」 「そうですね。それよりこれ、一人ずつ焼くんですか?」 と、目の前のコンロを指さす。
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