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「落ち着いて聞いてくれるかな?」 ビールから焼酎に変え、佐久間が淡々と話し出す。 「俺が二年先輩になるから、今26で、彼女は大卒で入って2年で24なんだよ。最初、前の主任の勧めでなんとなく付き合ってたんだけど、俺たち手も繋いだことないし、酒も一緒に飲んだことがない。行くのは定休日にドライブと喫茶店だけ。これで、結婚前提って言われてて、男盛りの俺が我慢できると思う?」 そう言われ、ふるふると頭を横に振る。 「で、上司の紹介だったし断わりにくくてさ、前から考えてたんだけど、君が来てからの彼女の様子があまりにおかしくて、ごめん、君を利用して別れを切り出したんだ」 「はぁ?」 「だから、彼女は君を目の敵にしてて、最近は顔つきも言動もおかしくてさ……君が来てからおかしいし、俺はもう無理だって言ったわけ」 「とばっちりはゴメンですけど」 「だからごめんてば。ホルモン屋でチャラにするつもりもないんだ。その、ずっと見てて、いい子だなって思っててさ。アイツのいじめにも耐えてただろ?」 「いじめ……ですか?」 「そう、休憩に行かせてもらえなかったり、常に催事に行かされたり」 「まぁ、休憩無しって言われた時は、洗礼と思って意地になってましたし、催事は人が足りないからって行かされてました」
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