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「どうして?だって私、あなたと結婚するつもりで……それに結婚前提でって話してたわよね?」と、つい涙ぐんでしまう。
「泣いてもダメだ。お前最近、タダでさえ酷い顔してるのに、これ以上幻滅させないでくれ」
「何それ?」
「いいか?付き合って二年以上経つのに、手も繋がない、キスもダメ。それでも別に嫌いじゃなかったから一緒にいたけど、人のことを愚痴愚痴言う女は御免なんだ」
「私そんな事してないわ!」
「気づいて無いのか?売り場でもぼーっとして、安田を見かける度に睨みつけてブツブツと何かを呟いてて。誰も最近お前に声掛けてるところなんて見ないし、気持ち悪がられてるんだぞ?俺だって、いつまで付き合ってるんだ?って言われるし、評判まで悪くなる。それはこちらとしても御免だ」
「知らない……私が悪いんじゃないもの。それに私は何もしてないし、いつもと一緒よ?ただ仕事をしてただけよ。変な事言わないで!それに上司の紹介でしょ?お見合いみたいなものじゃない!私、別れないから」
「とにかく、俺はもう無理なんだ。お前とは別れるよ」
それだけ言っていつの間にか近くにいた同僚と休憩室から出ていってしまった。
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